「この世界の片隅に」みてきました

にしです。
昨日は久々に1人飲みをしました。
年に数回、無性に1人で飲みに行きたくなるのです。
昨日は、数年前から目をつけていましたが1人のみの機会が少ないがゆえに行けていなかった、渋谷のバーに行きました。
大変満足なお店でした。
2杯軽く飲んだ帰り道、ふと思ったのです。

「明日、水曜祝日で休みだから、休日なのに映画がレディースデイだ」

そこで、最近Twitter上で話題になっていた、
この世界の片隅に
のチケットを帰りの電車の中で購入しました。


翌日。社会人になってからというもの、
休みの日にはついのんびり昼間で寝てしまうようになった私でしたが、
朝から映画という楽しみがあったので早起きし、いってきました。


この世界の片隅に
戦時中〜戦後の時代の話です。
主人公の少女の幼少期〜嫁入り後の日々の生活が描かれています。

本作品は正確な時代考証にこだわったそうですが、
広島出身の少女にとって、大変つらいであろう戦時中と戦後の生き様が、
淡々と描かれています。

本作品は、ドラマチックなものではありません。
戦争という大変重い時代背景がありますが、
主軸は少女の日常だと思います。
しかし、その日常の中に、生きる上で見過ごせない何かがあると思うのです。


以下ネタバレ注意、です。


のんびりとした性格で、田舎暮らしの主人公の少女は、
ある日不思議な体験をします。
出先で不思議な、獣のような人物に人攫いに会います。
そこで一緒に人攫いに会っていた少年が、のちに重要な人物となります。
少女は機転を利かせて、一緒に人攫いにつかまっていた少年と逃げます。

そのような出来事があって数年。
少女の元に、見知らぬ人物から縁談が。
少女はそのまま彼の地へ嫁入りに行きます。

慣れない地での新生活ですが、少女はしたたかに生きていきます。
彼女なりのペースで、しかししっかりと。
日々の生活をこなしながら、自分らしさも持ち合わせて、
夫とその家族と一緒に、戦争という辛い時代を生きていくのです。

 

映画での見所は、3つだと私は思います。


1つ目は、夫周作との夫婦関係です。

夫とは、ほぼ見知らぬ人同然の状態で結婚しましたが、
夫婦で愛を育む場面が、良いです。

主人公の少女は、純真無垢で無防備ですが、
夫も純真な人物のように思います。

夫婦のあどけない純情さにこちらの胸がざわめいてしまいます。

恋愛結婚ではない、現代の一般市民の私からすれば想像できない結婚だけれども、
お互いが真摯に向き合っている姿がいいです。
辛い時代だろうと、相手のことを思いやり、共に成長していく過程が、いいです。

途中で、夫が嫁に「譲る」場面がありますが、
嫁はそれを疑問視し、夫への気持ちを再確認します。
夫婦は、様々な障害を乗り越え、強い絆を築いていきます。

 

2つ目は、時代ゆえに、でもそうとは言っても自分のせいで、
失くしてしまったものへの、やるせなさでしょうか。
そして、それを乗り越える強さでしょうか。

戦争の悲劇です。幼い子供が不発弾の犠牲になり、主人公の少女も右腕を失います。
子供の母親に「人殺し」と罵倒されるも、
ただただ「ごめんなんさい」としか言えない主人公。

きっとわかっているのです。
母親も、主人公も、この時代のやるせなさに。
しかし、それでも他人を、自分を、責めざるをえない心情に。
そういった感情と、そのために生じたわだかまりを、
様々な人ととの関わりを持って乗り越えていく様が、良いです。


3つ目は、そういった、様々な悲しみや人との関係で、
辛い時代を乗り越えた最後に出会った、いのちだと思います。
ラストで描写されるそのいのちに、なぜか涙が出ました。
拾われたいのち。それを受け入れる主人公と夫。心の穴を埋めるような子供を亡くした母親。


悲しいことがたくさんある。
辛いこともたくさんある。
たくさんの人が死ぬ。
それでも、「お国のため」と我慢してきたけれども、それも報われない。

そんな時代でも、日々の生活を、まっすぐ前向きに生き抜く姿に、涙がでます。

現代日本で私は衣食住に困ってはいないけれど、
生きてく上での共通点は多いはず。

苦しくても、やるせないことに涙をしても、人生を共にするパートナーとぶつかっても、
1日1日をしっかりと、目の前のことから目をそらさず、人との関係を大切に、
生きていきたいですね。


楽しい場面でも、悲しい場面でも、つい涙がでてしまい、
終始見入ってしまうそんな映画でした。

では。